「風待[かざま]ち」という言葉の響きに惚れこんだのは、一〇年以上も前、広島県の大崎下島を訪れた時のことだ。ここに「風待ち・潮待ちの港」御手洗[みたらい]があった。古い屋敷の並ぶ街に繁栄の面影を残すが、今はひっそりと静まっ…